折々の京ことば

せんぐり

「セングリ車が通って危ない」「セングリ考えたけど、うまいこといきまへんな」。
次から次へと、順々にの意味。先から先へと繰る「咲き繰り」から。
もとはセングリニと言った。
江戸時代後期ごろから、「ニ」を省いた。
セングリセングリと、重ねていうこともある。
「セングリセングリ用事ができましてな」。
「繰る」にはもと、引き寄せるの意味があり、順々に送り動かすことでもあった。


                堀井令以知著「折々の京ことば」より


サボテン花盛丸の花
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# by jugeme | 2008-08-11 22:46 | 京ことば | Trackback | Comments(2)

折々の京ことば

てったい

手伝い。大工や左官の助手。
「このごろテッタイやってます」。テッタイサンとも。
土木関係の雇い人夫のことも呼ぶ。
江戸時代の文政四(1821)年刊{浪花方言」には
「手伝(てったび)。江戸の仕事師のこと、大工の手伝也」とある。
手伝うをテッタウというから。
テッタイは「手のトビ(提供)」ということで、テトウは助ける、労力を
提供して報償を予期すること。
「ちょっとテットテンか」。


                堀井令以知著「折々の京ことば」より


数日前の西の空。
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# by jugeme | 2008-08-07 07:03 | 京ことば | Trackback | Comments(2)

折々の京ことば

 ちょっと そこまで 

近所の人が出かけるのを見て「どこ行きどす」と話しかけると、
「チョットソコマデ」と返事が返ってくる。
それ以上行き先を追求するつもりはない。
チョットソコマデの「そこ」がどこかはっきりさせるわけではない。
遠回しに表現するのが、京ことばの特性の一つ。
買い物に行って、店のつり銭が違っていた時、「ちごうてます」
と言わないで、「ちょっと足らんように思いますけど」と遠回しに言う。


                堀井令以知著「折々の京ことば」より


これもムクゲ。家の近所には花色の違うムクゲが咲いている。
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# by jugeme | 2008-08-07 06:52 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

しんどい

つらい。苦しい。疲れている。
「マラソン走ってシンドイわ」「社長さんの話は聞いていてシンドイ」。
「辛労」にイを付け形容詞化した「辛労い」がなまって、シンドイとなった。
シンロウをシンドウと言った。安原貞室の「片言」に
「辛労をしんたうと云うこと如何」とある。
「東京京阪言語違」(明治十九年刊)には、京阪のシンドイを東京のクタビレタ、
京阪のシンドヤノーを東京のガッカリシタと比べている。


              堀井令以知著「折々の京ことば」より


ムクゲ、種類も色々だが、次々咲く元気な花。
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# by jugeme | 2008-08-07 06:44 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

つかまえ

鬼ごっこのこと。「ツカマエして遊ぼう」。
公家のことばでも、ツカマエと言った。
江戸時代には、ツカマエボということばが使われた。
「物類称呼」に「京にて、つかまえぼと云」と記されている。
「つかまえる」に基づく。
京都府南部ではツカマエコンボ・ツカマエオニのような形もある。
一方、府北部では
オニゴトのほか、ボウ(追う)から、ボイヤイ(追い合い)・ボイヤともいう。


                   堀井令以知著「折々の京ことば」より


ゴーヤ、もう何本も収穫した。
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# by jugeme | 2008-08-03 13:47 | 京ことば | Trackback | Comments(2)

折々の京ことば

ばったりしょうぎ

京の町屋に良く見掛けた。
表の入り口のそばに取り付けられた床机。
脚を折り畳むことができる。商品を並べて売るのに用いた。
家の軒下などにせっちされている。
留め金を外して下ろすと床机になる。
「あの家には、まだバッタリショウギが残ってますわ」。
バッタリは床机を上げ下げするさまの擬態語。
昭和初期、子どもたちが並んで腰を下ろして遊んだものである。
バッタンショーギともいう。  



                 堀井令以知著「折々の京ことば」より


コムラサキの実も大分それらしくなってきた。
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# by jugeme | 2008-08-03 13:38 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

ちょろこい

「田の畦の草刈りなんてチョロコイもんや」「こんどの試験、チョロコイな、満点や」。
たやすいの意味。コイは形状を示す接尾語。
チョロコイは「まだるっこい(間怠っこい)」動作をするときにも使う。チョロイとも。
チョロは小動物が動くさまをいう擬態語。
チョロクサイともいう。「何をやらしてもぐずぐずしてチョロクサイ子やな」
「たんぼの水、チョロクサイし、もうちょっと口あけて流そうか」。


                   堀井令以知著「折々の京ことば」より



度々登場のムクゲ。白は涼やか・・・
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# by jugeme | 2008-08-03 13:30 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

かなやすい

容易な。
「この本はカナヤスイ文章で書いたーる」。カナナとも。
「この問題はカナナヤとおもう」。
平易であるのヤスシは「万葉集」から用いる。
ヤサシイ(易しい、優しい)はもと「痩せる」の意味に基づく。
「身も痩せるおもい」「恥ずかしい」の古い意味から、思いやりがある、
おとなしい、優美なの意になり、容易なの意になった。
反対の「難しい」は、京都では東京のムズカシイに対しムツカシイと発音する。


                堀井令以知著「折々の京ことば」より


ツル花ナスの紫色は優しい色。
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# by jugeme | 2008-07-31 23:12 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

びんしょ

汚らわしいこと。
「ビンショやし、触らんとき」。ベンショ・ビビンショともいう。
鬢髪を調えた「鬢所」からか。便所からとの説も。
子ども仲間で汚いものに触ったとき「ベンショベンショ」とはやした。
便所を室町時代からベンショといった。
平安時代には適当なところの意味で、便所をビンショと発音した。
馬糞などを踏み付けた子に「ビビンショに触るな」などと、はやしたこともあった。


                堀井令以知著「折々の京ことば」より


宿根コスモスがポツポツ咲いている。
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# by jugeme | 2008-07-31 22:58 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

せく

「この仕事そないにセクのんか」。
急ぐ。「胸ふさがる」の意の「塞き上ぐ」の「塞く」に基づく。
せき止めて逆流させることから。
「セイテセカンことはない」は文字通りの意味は
「急くようでそう急いですることではない」というのだが、
真意はあまりのんびりはしていられないこと。
ちなみにセキマイは急ぎのことで、「急き前」の意味。
気がセケルともいう。
胸せく思いになることから急ぐことをいう。


             堀井令以知著「折々の京ことば」より


ゲンペイボクがまた復活して咲いている。
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# by jugeme | 2008-07-29 07:00 | 京ことば | Trackback | Comments(0)