折々の京ことば

きつぎり

思い切り。徹底して。
「キツギリ掃除してこの部屋きれいになりましたわ」。
「言うこと聞かへんならキツギリ叱っとくれやす」。
ケツギリとも。ケツは尻で、底のこと。
ギリは限りの意味で、徹底的、あくまでの意味になった。
ケツギリからキツギリに。ケツアキザルは中途半端の者をいう。
尻をあげて締りのないさまを猿にたとえる。
「きちんと戸を閉めんと飛び出してケツアキザルやな」。


             堀井令以知著「折々の京ことば」より



公園のコスモスと蝶
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# by jugeme | 2008-10-05 13:54 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

つかんこと

突然のこと。出し抜けのこと。
「ツカンコトおたずねしますけど・・・」。それまでの話題と結びつかないこと。
話の途中で、出し抜けに話題を転換する時に用いた。
急に話題が変わると、「ウロガクル」とも言った。
うろたえる、狼狽するの意。
京都府北部ではウロカワスル、ウルーガクルとも。
途方もないことをトッケモナイとも言うが、「突飛もない」と言う意味である。


                  堀井令以知著「折々の京ことば」より


チョウセンアサガオ
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# by jugeme | 2008-10-04 06:49 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

ようすする


気取る。「あの娘さん、お客さんの前ではヨーススルのや」。
「様子」は「容姿、なりふり」の意味。
「様子振る」とも。なまめきこびる色っぽいさまをいう。
気取った格好をする人は「エエカッコシー」である。
ヨーボクサイのヨーボは「容貌」で、「みためかたち」のことだが、
得意な臭いがするの意味で用い、「病院へ行くとヨーボクサイ臭いがするやろ」という。


                 堀井令以知著「折々の京ことば」より


アオスジアゲハの訪問を受けた。
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# by jugeme | 2008-10-03 07:30 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

ののさん


太陽。月。神様。太陽や月のように信仰の対象になるものを呼んだ。
神仏に対して祈る人のことばを「ノーノー」と聞いた子供たちが命名したと思われる。
ノンノンサンとも。月や神仏にマンマンチャンともいう。
拝む時、「マンマンチャン、あん」とアンを添える。
太陽をニチリン(日輪)サン、オテント(天道)サンと崇め、
雷もカミナリサンとサンを付ける。
京都府北部では雷はハタガメという。


                 堀井令以知著「折々の京ことば」より


ミソハギ
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# by jugeme | 2008-10-02 07:08 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

ごめんやす

あいさつの言葉で「今日は」に当たる。
ちょっとすみませんがという気持ちで「ゴメンヤス奥さんおいやすか」と尋ねる。
御免は「許すこと」の意味。尊敬語から訪問のときのあいさつになった。
ゴメンヤスと訪れた客に「オイデヤス・オコシヤス」と言う。
人の家の前を通るとき、「おかど(門)をゴメンヤッシャ」という。
ゴメンヤシトクレヤスは丁寧な言い方。
「お茶をこぼしてゴメンヤッシャ」と謝る。



              堀井令以知著「折々の京ことば」より

花トラノオとキアゲハ
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# by jugeme | 2008-10-01 07:52 | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

せこい

「あんなセコイことせんでもええのに」。
ずるい。醜悪な。粗悪な。若者ことばで広まった。
セコイは役者・寄席芸人の用語セコから。
セコは悪い、醜い意味。
良いこと、得意芸はハコと言った。
「セコイ芸」のようにセコイは明治時代の芸能人が「下手な」の意味で用い、
ハコを形容詞化した良い、美しいのハクイ(白い)の対義語であった。
セコイには、けちくさい、みみっちいの意もあった。


                   堀井令以知著「折々の京ことば」より

高原にて・ススキ
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# by jugeme | 2008-10-01 07:26 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

へたばる

くたばる。疲れて倒れる。座り込む。尻をべったりとつけて坐る。
「マラソンの途中でヘタバッテしもて棄権や」。
ヘタは「平らなさま」で、バルは「張る」の意味。
ヘタル・ヘチャバルともいう。ヘタルは、べったりと平たく坐ること。
「風邪ひいてヘタッテる」「道端にヘタッテしもて動かれへん」。
江戸時代の初めから使用し、物事を中途で投げ出す、弱るの意味でも広がった。


                 堀井令以知著「折々の京ことば」より


びわこバレイ(高原)に咲いていたリコリス(彼岸花の一種)
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# by jugeme | 2008-10-01 07:15 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

ぼっかぶり

大きいアブラムシ。ゴキカブリからボッカブリとなまった。
御器は食物を盛る蓋付きの碗。
カブルはかじるの意。台所に出て食器・食品をかじる。
一般にゴキブリという。
祇園のお茶屋では、台所へ来て、無駄話に時間を過ごす客を
あざけってアブラムシという。
アブラムシは油に浸したような光沢がある。
油を売る、怠けることをアブラトルという。
主人の目をぬすんで怠ける者はアブラトリ。



                    堀井令以知著「折々の京ことば」より


シジミ蝶
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# by jugeme | 2008-09-29 16:47 | 京ことば | Trackback | Comments(4)

折々の京ことば

むしくしする

「おなか(腹)がムシクシスル」は腹がちくちく痛むのをいう。
「あいつのすることを見ているとムシクシスルわ」のムシクシは、
腹が立って耐えられない、むしゃくしゃすること。
ムシは「腹の虫」、クシは「苦しい」ことである。
今の若者のキレル状態である。
「思わせぶる」ことをムシオコシという。
「こんなムシオコシやったら、ないのと同じこっちゃ」のムシも
腹の虫で、食欲、さらに欲を起こさせること。


                    堀井令以知著「折々の京ことば」より


シジミ蝶
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# by jugeme | 2008-09-29 16:34 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

にじくる


「そんなにあっちゃこっちゃニジクルもんやない」。
なすりつける。塗りつける。ニシクルともいう。
擦り付ける、じりじりと押し付けるの意味のニジルに、繰り返す、
こね回すの意味のクル(繰る)を付けて作った。「にじり寄る」「にじり出る」というし、
茶室には「にじり口」がある。「にじり書き」といえば、筆を紙に押さえ付けるようにして
下手な文字を書くことになる。


               堀井令以知著「折々の京ことば」より


オリーブの実
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# by jugeme | 2008-09-27 07:45 | 京ことば | Trackback | Comments(0)