人気ブログランキング |

<   2009年 04月 ( 27 )   > この月の画像一覧

紫藤

フジはツツジと並んで晩春を彩る花。
藤棚から長く垂れ下がった姿は、遠目にも優雅で気品がある。
「白藤」もあるが、一般には「紫藤」がなじみ深い。
白居易の「三月三十日慈恩寺に題す」に、「惆悵す春帰りて留め得ず、
紫藤花下漸く黄昏なり」とある。過ぎゆく春をとどめえぬことを口惜し苦思いつつ、
しだいに暮れゆくフジの花の下に立ちつくす。
「和漢朗詠集」にも引かれてよく知られる名句である。



                興膳 宏氏の「漢語歳時記」より


シラン
e0128863_1050927.jpg

e0128863_10502868.jpg


口紅シラン
e0128863_23195632.jpg
e0128863_2320890.jpg

by jugeme | 2009-04-30 23:20 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(2)

躑躅(てきちょく)

ツツジが花盛りだ。ツツジは漢字で「躑躅」と書き、「山石榴」「杜鵑花」の別名もある。
「杜鵑」はホトトギスで、この鳥の鳴くころに咲くとされる。
「万葉集」や「古今和歌集」にもよく詠われるが、上記の漢語名をあてた例はない。
唐の詩人では、白居易が大のツツジ好きで、その親しみやすさを愛し、
庭にも植えて楽しんだ。人にたとえれば伝説の美女西施、さながら「百花の王」だと絶賛している。


                   興膳 宏氏の「漢語歳時記」より



オオバエンレイソウ
e0128863_2253766.jpg
e0128863_2253184.jpg

by jugeme | 2009-04-30 22:53 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(0)

鼻息

団体旅行で、同室の人のいびきに悩まされることはよくある。
転置にとどろくようなおおいびきで、ほとんど一睡も出来なかった夜のつらかったこと。
いびきは、「鼾カン」と書くが、また「鼻息」とも表現する。
唐の韓癒の「石鼎連句詩序」で、主人公の道士が壁にもたれて居眠りするさまを、
「鼻息は雷の鳴るが如し」と形容している。これがいびきを描くモデルになった。
「屋を憾がす」という形容もある。



                 興膳 宏氏の「漢語歳時記」より



マイズルソウの小さな花が咲いている

e0128863_21485123.jpg
e0128863_2149911.jpg

by jugeme | 2009-04-30 21:49 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(0)

嚏(てい)

春でもマスクをしている人を多く見かける。
花粉症のせいか。花粉症はしつこいくしゃみに悩まされる。
くしゃみは、古くは「くさめ」といった。漱石「吾輩は猫である」の主人公「苦沙弥」は
もちろん当て字で、漢字では「嚏」と書く。「詩経」の「終風}という詩にこの字が見え、
漢代の注釈に、「くしゃみが出るのは、誰かが自分のうわさをしている」ということわざを引く。
その言い伝えが今もなお生きている。


                     興膳 宏氏の「漢語歳時記」より


ウツギ(うのはな~♪)が咲いている
e0128863_16571418.jpg
e0128863_16585953.jpg

by jugeme | 2009-04-27 17:01 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(6)

孟宗

孟宗は孟宗竹の略称だが、もとは人名。
孟宗は三国呉の高官だった人で、親孝行で名高い。
冬の日に、母親が竹の子を食べたいというので、竹林に入って途方に暮れていると、
孝行の威徳が天を動かして、竹の子がでてきた。
「三国志」注や、「孝子伝」に記される説話で、のちには御伽草子「二十四考」によって広く知られるようになった。
植物学者牧野富太郎によれば、孟宗竹の名は日本で生まれ、中国に伝わった。


                     興膳 宏氏の「漢語歳時記」より


ブルーベリーの花 今年は花つきがよい
e0128863_16422365.jpg

e0128863_16434035.jpg

by jugeme | 2009-04-27 16:46 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(0)

竹の子は、筍とも笋とも書く。
中国では紀元前から食用に供されていて、春から初夏にかけての代表的な味覚だ。
白居易は「笋を食す」という詩で、竹の子を蒸篭にいれて米といっしょに蒸し、
肉を食べたいと思わぬほど食が進んだという。一方、北宋の蘇軾は、山歩きを詠った
「新城の道中」で、農家の人々が、「芹を煮 筍を焼いて」、昼食の菜にしているという。
うまそうだが、ともに今はない調理法だ。


                  興膳 宏氏の「漢語歳時記」より


藤の花が咲いた。
e0128863_173329.jpg
e0128863_1733404.jpg
e0128863_17334838.jpg
e0128863_1734257.jpg

by jugeme | 2009-04-26 17:33 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(6)

青春

黒澤明監督の「わが青春に悔いなし」といえば、戦後の名画である。
このタイトルも示すように、青春は人生の若い時期をいう。
だが、もとは季節の春をいった。春は五行説の色でいえば、「青」に配当されるから。
「青」は、萌え出でる清明の象徴である。
漱石の「草枕」第六章で主人公が作った詩は、「青春ニ三月、愁いは芳草に随って長し」から始まる。
人生と季節の春を重ね合わせて生まれた句である。



                    興膳 宏氏の「漢語歳時記」より


ハナイカダ
e0128863_2353234.jpg
e0128863_2354432.jpg


フタバアオイの花
e0128863_236510.jpg
e0128863_2362383.jpg

by jugeme | 2009-04-23 23:09 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(0)

偕老同穴

四月二十二日は、ことばの遊びで、「よい夫婦の日」とされる。
十一月二十二日は、「いい夫婦の日」。
夫婦が仲良くすることのスローガンのような「偕老同穴」は、結婚披露宴のあいさつでよく聞く。
出典は「詩経」。「撃鼓」に、「子の手を執り、子と偕に老いん」というのは、
夫の妻への誓いのことば。また「大車」の、「穀きては則ち室を異にするも、
死しては則ち穴を同じくせん」は、同じ墓穴に入ること。



                   興膳 宏氏の「漢語歳時記」より


スダヤクシュ
e0128863_22463048.jpg
e0128863_224753.jpg

by jugeme | 2009-04-23 22:47 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(0)

黄砂

春になると、中国大陸から飛んできた黄砂(霾ばい)が空を覆い、
洗濯物にまで被害を及ぼす。春の黄砂は、北中国では日常的な減少である。
明の帰有光の詩「初めて白河を発す」に、「胡風 地を刮りて黄沙を起こし、
三月 長安 花を見ず」とあるのは、まさにそれだ。
北京では、風の強い日など、ほとんど目も開けていられないほどになる。
それは「沙暴」(砂あらし)と呼ばれ、外出するのもはばかられる。


                 興膳 宏氏の「漢語歳時記」より


西洋カタクリ
e0128863_22141759.jpg

e0128863_2219264.jpg


ラショウモンカズラ
e0128863_22172846.jpg

by jugeme | 2009-04-23 22:13 | 漢語歳時記 | Trackback | Comments(0)

発生

杜甫の「春夜雨を喜ぶ」という詩に、「好雨時節を知り、春に当たりて乃ち発生す」とある。
良い雨が時節を心得て、春になると降りだし万物をはぐくむ。
今日は穀雨。この時期の雨は穀物の実りのために待たれる。
「発生」は、「事故が発生する」のように、何かが生ずる意味に用いるが、
もとは春が万物の命を生みだすことだった。古代の辞書「爾雅」に、
「春を発生と為す」とあり、春の別称でもある。


                    興膳 宏氏の「漢語歳時記」より


ヒトリシズカ
e0128863_22274983.jpg
e0128863_22281773.jpg

by jugeme | 2009-04-20 22:30 | Trackback | Comments(2)