折々の京ことば

ぐいち


食い違い。ちぐはぐ。「いつもあの人と話がグイチになってしもてな」
「履物がグイチになってるし、きちんと揃えておきなはい」。
賭博でサイコロの目の「五」と「一」が出るのを「五」と言ったことから
双六のサイコロの目で五をグと言う。
サイコロの目は上の面と下の面を合わせるとすべて七になる。
五一では七にならない。五と一は上下になっていないので
食い違うの意味になった。


              堀井令以知著「折々の京ことば」より


今年もお付き合い有難うございました。
皆様どうぞよいお年をお迎えください。
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# by jugeme | 2008-12-29 23:39 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

てんと


全く。まるで。さっぱり。
「このごろは不景気でテント売れしまへん」
「株が下がってテントあきまへんな」。「天から」が変化した。
「頭から」「最初から」の意味になった。
「てんで放しにならん」のテンデは「天で」から。
「トント忘れてた」のトントも同系。
チントは「きちんと」の意。キチットともいい、
「散らかしたものはチント元通りに直しときや」。
正確に折り目正しくの意味。


                堀井令以知著「折々の京ことば」より


マンリョウ
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# by jugeme | 2008-12-29 23:37 | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

のりかいもん


糊をつけてこわばらせた衣服。
糊づけをすることを「糊を飼う」と言った。
飼うは食を与えるの意。「ノリカイモンで身につかん」という。
ノリカイモンは肌に密着しない。したがって、じぶんのものにならない、
身につかないのしゃれ言葉になった。
さらに「ばりばりしている」のしゃれにもいう。
ノリカイモンは、ばりばりしているので、いばっている、威勢がよいの意味に掛けた。



                 堀井令以知著「折々の京ことば」より


タカサゴカラマツ
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# by jugeme | 2008-12-29 23:12 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

さいはらい


はたき。塵払い。「サイハライで掃除したもんや」。
サイは「裂き」から。はたきは布や紙を裂いて作るので言う。
掃除をするとき障子の桟のゴミを取るのに用いた。
電気掃除機の普及によって、しだいに使用されなくなった。
「日本国語大辞典」は「北辺随筆」(1816)を引用して
「今俗、さいはらひといひて絹・神などをさきて、小竹にゆひつけ、塵を払ふ具とす」とある。



                  堀井令以知著「折々の京ことば」より


松尾大社にて
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# by jugeme | 2008-12-26 22:58 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

てんやわんや


いい加減なことをいうこと。勝手に騒ぐこと。
「テンヤワンヤの大騒ぎや」。テンヤは、「手手に」の意味。
「手に手に」の転。「各自の手に」の意味が、めいめいに、
思い思いにの意味になった。ワンヤは「わいわい」騒ぐさまの形容。
テンデニヤ・ワイワイヤといううちにテンヤワンヤとなった。
テンテコマイはたいそう忙しく、うろたえ騒ぐことを言う。
テンテコは太鼓の音から。



               堀井令以知著「折々の京ことば」より


松尾大社の庭
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# by jugeme | 2008-12-26 22:52 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

でんち


袖なし半纏。「大寒小寒 猿のデンチ借って着よ」。
猿回しのように猿は袖無し羽織を着ている。
殿中羽織の略。デンチューをデンチと訛った。
江戸時代には京の子供の着る袖無し羽織をデンチと言うようになった。
ジンベ、チャンチャンコとも。ジンベは甚兵衛羽織の略か。
近世風俗を記した喜田川守貞「守貞漫稿」には陣羽織からとある。
陣兵(兵士)は着用した羽織からとも。


               堀井令以知著「折々の京ことば」より



ミツマタ
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# by jugeme | 2008-12-26 22:12 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

のぶとい


図太い。ずうずうしい。
「おとなしそうに見えてなかなかノブトイ男やな」。
「野太い」は当て字。江戸時代から使用。篦太いから。
篦は矢立・矢柄。ノホーズナも「図太い」ことである。
横柄な傍若無人なの意も。「ノホーズナあきないしてるな」
ノホーズは「野風俗」から。風俗の卑しいこと。
江戸時代初期には「のふず」と記された。肝が太い、横着なの意味であった。


                   堀井令以知著「折々の京ことば」より


枯葉
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# by jugeme | 2008-12-26 22:02 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

ずるずるべったり


結末のつかないままになっているさま。
「ズルズルベッタリご亭主に収まらはった」。
江戸時代には、ある条件が整えば、あとはするすると思いどおりに
物事が進行するさまを言った。それから長引いて無為にその状態が
続くの意味が濃厚になった。
スルスルは滞りなく物事が進行するさまであるが、
ズルズルは、きまらないで引き伸ばすさまをいう。
ベッタリは密着して張り付いているさまの形容。



                    堀井令以知著「折々の京ことば」より


クリスマスカードを作りました。
皆様良いクリスマスをお過ごしください。
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# by jugeme | 2008-12-23 22:34 | 京ことば | Trackback | Comments(2)

折々の京ことば

ろくしか


ろくに。まともに。「この仕事ロクシカできひんくせして」。
ロクは陸で真っすぐ平らなこと。陸地のように水平で、歪なく正しいこと。
ロクシカのシカは「わずかに、それだけの」。
ロクスッポは物事が不十分なさま。スッポは「推量」からか。
「寸法」からか。「ロクスッポこんな仕事もやれへんのに偉そうなこと言うな」
のように打ち消しの語を伴う。ロクニ、ロクロクとも。「禄」は当て字。


                
                堀井令以知著「折々の京ことば」より


駅の地下道のイルミ
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# by jugeme | 2008-12-23 22:23 | 京ことば | Trackback | Comments(0)

折々の京ことば

のらのせっきばたらき


金に不自由をしてくると働くこと。
ノラは「のらくら者」。セッキバタラキ(節季働き)は、盆や暮れの勘定期、
節季になると働き出すこと。
金のあるうちは、のらくらと遊び、金がなくなると働く怠け者の職人を
揶揄して「仕事幽霊、飯弁慶、勘定のときは加藤清正」という。
幽霊のように怠け、弁慶が刀を集めたようにたくさん食べ、
賎ヶ岳一番槍の清正のように真っ先に、給金をもらいに来るさま。


             堀井令以知著「折々の京ことば」より


公園の夕景
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# by jugeme | 2008-12-20 23:48 | 京ことば | Trackback | Comments(2)